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【個展作品オンライン発売のお知らせ】
先日行われた個展『203号室 光が屈折する町』の作品が1週間限定でオンラインショップで販売中です。ピンバッジ等のグッズは数量限定、額装作品は受注生産です。遠方の方やご来場難しかった方、この機会に是非ご覧いただければ幸いです。

ケシュ#203個展
203号室『光が屈折する町』
■販売期間: 5/22(月)21:00 〜 5/28(日)23:00
https://mori2.stores.jp/
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203号室『光が屈折する町』
その町はあらゆる光が屈折して届くという。
 そのせいで切り張りされた景色がパッチワークのようにちぐはぐに繋がり、オフィスの窓から見下ろすビルの谷間に白波が打ち寄せる砂浜が見えたり、十字路の交差点の向こう側に闇を湛える鬱蒼とした森が広がっていたり、薬屋の看板の上半分がパン屋の看板だったりする。だから、同じものを見ていても位置によって全然違って映るし、二重に見えたり、その逆に何も見えなかったりして、町を歩くと、巨大な万華鏡のなかを移動しているような気分になる。
 また、この町の独特な商いとして、『印象屋』と呼ばれる店がある。光の屈折を利用してあなたの印象を変えましょうという謳い文句で、目、鼻、口など、表面の部分のみならず、特殊な技術によって皮膚の奥、顔の深層、魂の形なども変化させるそうで、時には作られた印象が人間を丸ごと呑み込んでしまうことだってあるらしい。
 目の眩むようなくらくらする町だけど、気に入って定住する人間も少なくない。屈折に救われることも、稀によくあることだから。
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